
私がタイトルを原点復帰とした理由は、私自身がフルレンジ一発からオーディオを始めたからに他ならない。
確かCORALの16cmだったと思うが、団塊の世代の方達は概ね同様の経験をされたのではないだろうか?
しかし、若い方達は最初から2Wayや3Wayを使われワイドレンジ再生に慣れている筈である。
ところが最近、むしろフルレンジの音に新鮮味を覚える人が多いという話を耳にする事が多くなった。
一体何故だろうか?
私は、マルチウェイの欠点に人間の脳が拒否反応を示しているのではないかと考えている。
弊社のリファレンスシステムであるTAD R1は、誰に聴かせても納得される音だと自負しているが、これはネットワークを作り変えて始めて出て来た音である。
しかし、如何に優秀な部品を使い方向性の管理を行おうと、多少は電気的な位相の乱れが発生している筈だ。
部品の方向性を管理していない量産メーカーの製品であれば尚更この乱れは酷くなり、 位相ズレに敏感な私には気分が悪くなる程劣悪な状況なのである。
ところで、同じマルチウェイであっても、現代の多くのスピーカーよりダイアトーンの一部や昔のJBLの様にフルレンジ+ツイーターの方が余程音楽が楽しめると思うのは私だけでは無い筈だ。
これらに一致しているのは、紛れも無くコンデンサー1本だけの単純なネットワークであり、音の出だしのアタックが揃っているのである。
この事は一体何を示しているのだろう?
混変調歪みは少ないに越した事はないが、自然界に存在する機械的な歪みより
自然界には存在しない電気的な歪みの方が影響が大きいと言う事ではないだろうか?
そう考えれば、出ては消えて行った今までのスピーカーに対しての説明が付き、これから向かうべき方向が見えてくる様に思うのだ。 |