
お付き合いの始まり
購入後二十数年が経過し、書斎でほとんど休眠状態となっていたスピーカーのエッジにひび割れを発見し、どうしたものかと悩んでいたところホームページのエッジ張替えが目に留まりました。自然素材のセーム皮を使用しているとのこと、実績数の多さ、何より地元広島ということもあって今年3月に見積りをお願いしたのがサウンドデンさんとのお付き合いの始まりです。
結局、自分でスピーカー(タンノイ・アーデン)を持ち込むことにし、ネットワークチューニング、マグネット再磁着までしていただくことになったのですが、このとき初めてエージングがそれもかなり長い時間必要ということも知り、その過程で先輩諸氏が書かれているようないろいろな音の変化を体験しました。もっともこの時自分のプリメインアンプ(アキュフェーズE-202)にはガリが出てまともに鳴らせる状況ではなかったので、エージングに使用したアンプはDZI−2.3の試聴機でしたが。
エージングが進んで落ち着いた時には、これまで聴いたことのない艶やかで透明感のある魅力的な音になっていました。今まで聞こえていなかった音が聞こえるし、聴き疲れのない心地よさに酔いしれてしまう感じでした。
こうしてDENONかアキュフェーズかで検討を進めていたアンプ購入もDENTECにあっさりと決まり、振り返るとあまりにもあわただしい私のDENTEC製品購入の歴史?が始まったのです。
■購入記録1
4月2日 スピーカー再磁着、皮エッジ張替
4月9日 DZI−2.3UA購入
4月29日 SLC−CMS、SSC−CMS購入
5月7日 CDPにLclock・03、専用電源を搭載
Lclock・03の導入までほとんどエージングに明け暮れており、まともな音をいつ聴いていたのかと言われそうですが、どの製品をとっても程度の差こそあれ確実に音が進化し、その度毎に「すごい音になった、すごいことになって来た」と一人小躍りし悦に入っていました。CDP(DENNONの普通機)にX03を搭載し400時間のエージングが落ち着いた頃には、ソフトによってはいわゆる「スピーカーが消える」ことも経験し、とりあえず一段落、非常に幸せなひと時がやっと訪れたのでした。
ただこの段階でできていないのが振動対策。書斎の床が柔らかく御影石のボードをスピーカー台にしているくらいで、この点がどうもしっくりしません。
■購入記録2
7月中旬 某社インシュレーター購入
8月5日 専用電源引き込み(SC・VAケーブル、同ブレーカー、コンセント)
8月18日 パイン合板をスピーカー台にセット
VEB6−5、同10−10購入
9月3日 IPT1000An(RU)購入
大失敗とそこから見えてきたこと
電気の流れに関しては、電源からスピーカーまで一貫させるつもりですべてサウンドデンの製品で揃えましたが、電気に関係ない(と思っていた)振動対策については、VEBはとっても高価だし、ちょっとCDPやアンプにはいかついかなって感じがしていました。そこでリスニングルームとしては?な書斎向けの振動対策製品がほかにないかとインターネットで探すこととしました。思えばこれが後で大反省、最大の汚点となってしまうのですが、この時は浅はかにもラックへの収まりのよさとアンプへ試用した時のそれなりにまとまり甘めとなった楽器の音に納得し、CDP、SP分もすべて某社のインシュレーターで統一したのでした。
その後に専用電源を引き込んだので、力強さを増した音を楽しむ日々がしばらく続くはずでしたが、時を同じくしてIPTシリーズの値上げを知り、試聴機の貸し出しをお願いしたことでインシュレーターの選択誤りが早くも露呈することとなりました。
藤本社長にお持ちいただいたVEBとの聴き比べで一瞬にして勝負はつきました。情報量が違いすぎます。お話になりませんでした。大反省と後悔です。
オーディオの世界とは縁遠い生活、そしてインターネットという文字だけの情報からサウンドデンとお付き合いが始まったばかりの浦島太郎(私)は、振動対策でこれほど音質に差が出ることを知りませんでした。また正直、この時までサウンドデンの振動対策がこれほどすごいとは思っていませんでした。
高い授業料になりましたが、わずか半年でここまですごい(この時点ですでに異次元)音になったという事実、改めて桁違いのサウンドデンの実力が身に沁みてわかりました。
そのほかにわかったことの一つ、製品が安くない理由。サウンドデンの製品は庶民感覚からはとても高くほかの製品でも何とかならないかなとつい浮気心が出やすい価格にも思えてしまうがその実、決して高くない。先輩のどなたかもおっしゃっていましたが、コストパフォーマンスが抜群で、浮気に失敗して確信を持った者として、ローンを組んで(目標を決め時間をかけて)も導入するのが近道で絶対正解だと強く皆さんに申し上げたいです。私も金銭感覚が麻痺したわけではないけれど、必要な費用として納得できるようになりました。
もうひとつ。オーディオは各機器の総合力で決まるものだということ。一定の段階まで来ると音は激変してすごい変化を遂げること、逆に些細なことでも何か一つでもバランスを崩す要因があると力を発揮できないことを経験しました。私の場合、十分エージングの進んでいるはずのIPT1000anをもってしても試聴時には思ったほどの効果が確認できませんでした。これはその時お借りしたVEBが落ち着く時間がなかったということ以上に、床が柔らかいために前後幅の狭いボードを使用していたものの、スピーカーの前後の振動を抑えきれていなかったことがおそらく原因していたものと思われます。これは藤本社長のご指摘、アドバイスに基づき合板材を購入、敷き詰めることによって解決し、音は激変しました。総合力、バランスの大切さを知りました。
何かわからない時や悩んだ時には藤本社長のチェック(無料クリニック)を是非お勧めします。私のようにつまらない回り道をしないように。
IPT-1000Anの感想
IPTを導入してすでに一週間が過ぎました。チェックCDは「土と水」です。導入直後の印象は、試聴時のように漠然としてエネルギー感が少し増したかなという程度の印象でした。しかし、合板材を敷き詰めた効果でVEBがその実力を発揮し始めたことと相まって社長さんとお話している5〜10分のうちに前後への拡がりと音のしまりが私の耳でも感じられるように変わっていきました。
その後のエージング中の変化の印象は次のとおりです。ただし、導入前からの不満であったベースの音を中心に書きます。
(約12時間後) 音源が完全にスピーカーから離れている。
(約36時間後) ベースの音が弦だけでなく板を震わせている感じがわかる。小さな音でも一音一音が引き締まり、しっかりとしたエネルギーが感じられる。ベースの位置が決まり、しかもそこに立っているのがわかる。この段階で、アーデンとしてはよくぞここまで頑張ってくれたな、と思えるほどの音に到達した。
(約60時間後) ベースを弾く音、スピード感、迫力が昨日より増している。奏者井上さんが弦を押さえる左指の動きが音や気配として捉えられる。音の質が重く、早くなった。音が生きている感じ、奏者の姿がイメージできこれまでとは違ったレベルで演奏が楽しめる。
(約84時間後) 更にベースの音の密度が高くなった。音が重厚。今まで聞こえなかった音や弦を引く弾く微妙な力の差に気付く。演奏意図までが感じられ、何度聞いても飽きが来ない。
現在は一週間が過ぎ、そろそろ落ち着いたのかなという印象です。あくまで素人の感想ですが、結果?として導入前の心地良い音はそのままに、更に上下、左右、前後に音が拡がり、浮つきのない、濃厚でどっしりした、色合いと深みに満ちた実在感のある音になっています。また蝉の音色すらも変わったような気がします。余韻も素晴らしく、味わい深い。スピーカーが鳴っていると思えない。目の前でライブ演奏がされているかの如くです。
これまでは土と水の演奏の素晴らしさに気付くこともなく、ただ蝉の音が聴こえるかどうかに一喜一憂するような聴き方しかできなかったのが嘘のように、お二人の演奏を楽しんでいます。アーデンが苦手としていたベースの音が全く別物に変わり、自分の装置ではこれ以上の音が想像できないレベルになっています。
4月にエッジ張替えして以降の視聴時間は、二十数年前に購入してからエッジ張替えまでの視聴時間をすでに超えていると思いますが、IPT1000anとVEBで更に大化けしたおかげで、この間に聴き直したCDの聴き直しのため時間がどんどん増えそうです。音楽が生活から本当に切り離せなくなりました。
時間をかけてグレードアップしていきます。
ただ、ASC会長宅でとびっきり異次元の試聴体験をさせていただいているので、これでもやっとスタートラインに立てたくらいかなという気持ちもあります。まだCDPとアンプ用のパワーケーブルの導入、CDPのグレードアップなど自分自身課題だと思うメニューもあるものの、これからは藤本社長や先輩諸氏の掲示板などのアドバイス等も参考にさせていただきながら、使いこなしも少しずつ工夫しつつ、懐と相談しながらじっくりステップアップする過程も楽しみたいと思えるようになりました。
この音の感動を文章ではどうしても言い表せない、伝えきれないもどかしさがありますが、これからもサウンドデンとお付き合いを続けさせていただくことで、更に高みの異次元の音の世界に一歩でも近づけられればと思います。
改めて藤本社長、サウンドデンの皆さん、素晴らしい製品をありがとうございます。
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