「音の出口」スピーカーは信用できるのか?No.3


2002/8/9

今までのコラムを読んで頂いた方は、古いスピーカーしかチューニングしていないと思われているのではないだろうか?
 
 それでは方手落ちなので、これから最新とも言えるものを紹介する事にする。
 
まずVENDERSTEEN 3Aだ。

バンダースティーン社は、現在輸入代理店が無い所為もあってあまり話題に出てこないが、アメリカではかなりのシェアーを持つハイエンドメーカーなのだ。比較的低価格ながら、位相特性は抜群に良く、立体的な音場表現には定評がある。

それでは、中を覗いてみよう。
 
 まずバンダースティーンの特徴であるユニット配置が目に付く、ボイスコイルの位置が揃っているのは最近珍しくないが、ネットワークが6dbクロスである事が、さらにその良さを引き出している。但し、ご多分に漏れず、これもプリント基板を使っているのは残念である。

今回の依頼主は、このスピーカーが相当気に入っておられ、一生付き合える様、徹底的にチューニングしてくれとの事だ。

コイルには特に問題は無いので、ネットワークを組替えて外付けとし、配線材は全てSSC/CMという豪華な組合せとなり、チューニング代は軽く100万円を突破してしまった。

出張のついでにと、依頼主がわざわざ横浜から来られた。悪い事に丁度エージングの最終段階で、例の高音が煩いモードに入っていたのだが、私の説明に、納得された様子だった。

セッティングに伺うまでは、このスピーカーが試聴室の主となるのだろう。しかし、コーン型スピーカーとは思えないホーン型の様な抜けの良さが印象的だった。


2002/8/23

JBL K2のチューニングを預かる事になった。
 
 それにしても、ペアーで400万円を超える様なスピーカーをチューニングする人がいるなんて、信じられるだろうか?

しかし、例の如く内部を覗いて見るとその答えが帰って来る。
 
 まずネットワークだが、ご多分に漏れず方向性の管理はされていなかった。特にコンデンサーだが、このクラスになると流石にDENTECチューンと同じ物が使ってある。

しかし、部品メーカーを信用しての事だろうが、方向性は全く合っていないのだ。そして例のプリント基板が音質に悪さをしている事は言うまでもない。

今回はオーナーの要望で、別にネットワークを作り外出しする事となった。
コイルは2φ銅線で特注し、レベルコントロールはコイルからタップを出すという、例のSIEMENSバイオノールを朗々と鳴らしたタイプだ。

残念ながら、ユニットはネオジュームなので当店の着磁機では再着磁出来ない。エッジのセーム革張替だけとなった。
 
 既にエージングも殆ど完了し、良い意味で2周りほどスケールの大きな鳴り方となっている。

興味を持たれた方があれば、当分試聴室で鳴らしているので聴いて頂きたいと思う。

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